国立で屈辱の敗戦を喫した柏との試合。同じ相手に2度は負けられない。
試合は、立ち上がりからいつもと違う様相を見せる。平川のポジションを低くし永井を右サイドに張らせる事で変則的な4バックを形成。中盤も概ね4人が横並びの形で3ラインの4-4-2の形。この組み合わせで試合する事が不慣れなのか、それとも守備を意識しすぎているのか永井のポジションは異常に低くセントラルMFの啓太、阿部と並んでしまい反対サイドの相馬もなかなか上がる事が出来ずに前二人との距離は間延び気味。エジミウソンも高原もボールを受ける事も出来ず、中盤を押し込まれ一瞬の隙をついたミドルシュートで先制を許す。また、永井のポジションが安定しない事で平川の進路を塞いでしまいサイドで蓋をしてしまう事が多かった。それでも前半の終わり際には平川の縦への突破から阿部にクロスが入り同点に追いつく。平川の縦への突破の意識は戻りつつある事は明らかでらしいプレーだったし阿部のボレーも最高だった。後半はやや前目にポジションを取り始めた永井と前への意識を高めた相馬によってある程度攻撃が機能し始めるものの相手の守備組織を崩すに至らず、その辺りの熟成度は柏の方に歩があった。それでも最後の最後で永井が高原とのパス交換で一瞬の隙を作り出しゴールを奪う事に成功。ようやく永井が機能した形。それでもやや長めのロスタイムでフランサのどうにもならないシュートで追いつかれてしまったのは単純に不運としか言いようが無い。これに関しては割り切る他にない。最終的にはドローと言う結果に落ち着いた。
最後の最後であんなシュートを打たれたのではどうにもならないが、そこに至るまでの90分を見ればしょぼくれる様な試合じゃなかった事は事実。ほんの僅かな所で勝利は逃げて行ったが負けに等しい引き分けではなく、勝利に近い引き分けだった。そして変則的な4バックを90分試し不安定ながらも機能して一時は逆転まで持って行けた事は評価に値すべき選手達の戦いだった。もっと盛り上げてもいいと思うのだけどね。本来であればこう言うチャレンジは開幕の頃にしておくべき事なのだがな。ようやく開幕した感じだった。
ただ監督の采配は十人並み以下であり、ロスタイムに入りリードした時点でベンチで出来る事があったはずなのだが傍観者にしかなりえなかったのは最悪に等しい。相変わらず監督だけは無策だなと・・・。
しかし・・・この試合を見た後、無策の監督が敷いた布陣を思い出しながら「多分ユーロ08の決勝を今更ながらエンゲルスが見たんじゃないか」って思ってしまった。多分スペイン代表の真似を(笑
浦和 2-2 柏
Goal:#22阿部、#9永井