ワールドカップもいよいよファイナル。
グループリーグでは、好調を極めた南米勢がノックアウトステージでは早々に姿を消し、最終的に残ったのは欧州の2カ国。どちらも優勝経験のない勝てば初優勝。2度ファイナルで敗れた経験を持つオランダと初のファイナリストとなったスペインの対決となった。
試合は激しい展開。試合終了後には両チーム合わせて14枚の警告が乱れ飛び1人が警告2回で退場と言う展開。それだけファイナルと言う戦いが激しいのだ。体を張って相手を止め容赦なく体をぶつけ削っていく。本気の勝負。審判がやや警告の出しすぎの様な感じではあった。
オランダは90分の試合をほぼ支配していた。中4日のオランダに対して中3日のスペイン。若干コンディション的にはオランダ優位かと言った感じ。最初から飛ばしていくもののキープレーヤーのスナイデルはさほど目立った動きは見えない。試合を支配する物の最終局面でスペインのゴールを割る事が出来ない。ロッベンも精細を欠き気味だった。後半、相手DFの裏へ抜け出しGKと一対一の場面を作る物のGKに間合いを詰められた上にシュートの判断が遅れ決めることが出来ない。そしてオランダはどちらかと言うと90分の試合をした。それが延長戦でオランダを苦しめた。
延長に入るとスペインがペースを握る様になる。後半に投入したセスク・ファブレガスが効いて来る。シャビが終始消されていた為にスペインはなかなか思う様な展開を作れずに居たがセスク・ファブレガスのおかげでペースを取り戻す。そして延長後半オランダゴール前に襲い掛かるスペイン攻撃陣。左サイドでボールを持ったフェルナンド・トーレスが逆サイドのイニエスタへボールを入れる。が、これは通ればオフサイドだったのだがオランダDFが跳ね返してしまう。結果的には跳ね返さなければと言う事になるのだが・・・。跳ね返されたボールを拾ったのはセスク・ファブレガス。今大会のスペインはこう言うこぼれ球が目の前に転がってくるシーンをよく見かけていた。そして、イニエスタがオフサイドポジションからDFの前に下がった所でセスク・ファブレガスのスルーパスが再度イニエスタへ。イニエスタの下がる動きに惑わされたオランダDFの裏をボールを受けたイニエスタが意図も簡単に奪いGKの動きを読みゴールへと流し込んだ。これが決勝点となりほぼ勝負が決した瞬間だった。僅かながらも残った時間で追いつこうとオランダも縋るがオランダの選手の体力はほぼ尽きており攻撃の形を成す事が出来なかった。
両チームともに決定的なチャンスは幾度かあった。両チームのGKが当たっていた事もあってゴールを奪う事が出来なかった。特にカシージャスは大当たりだった。ただ、それを考慮してもゴールが割れなかったと言うのは色々なプレッシャーもあっただろう。ファイナルの独特の雰囲気が両チームを苦しめたと言っても過言じゃない。
久しぶりの初優勝。スペインの優勝は妥当じゃないだろうか。
でも、この大会はゴールが少ない大会だったと思う。ファイナルにしても両チームとも攻撃が売りのチームのはずが1-0の試合になった。攻撃的に得点を取り捲ったのはドイツくらいな物だろう。この大会におけるベストチームは個人的にはドイツ。
そして、優勝したスペインのサッカーが主流となる感じがしない。スペインはある意味で例外的なチームだった。ひとつのクラブに代表選手が集中し、そのベースの上に成り立っている。クラブチームのサッカーシーンでこのスペインが繰り広げたサッカーは主流になるかもしれない。だがナショナルチームでこれが実現出来るかと言うと厳しい。この大会の特徴であった守備を固めてカウンターと言うのが結局は主流になる予感がする。スペインよりドイツのサッカーの方が現実的だろう。日本も目指していたのはスペインの様なサッカーだったが結局はスイスの様なサッカーに切り替えて結果を出した。ショートパスを繋いで行く様な連携を一時的に集合する様なナショナルチームでは構築するのが難しい。所属クラブがどんなサッカーをしているのかと言う前提条件もあるからね。
まぁ、4年後にフットボールがどの様に変わってるのか楽しみにこれからの4年間を見て行きたい。
オランダ 0 ( 0 EXT 1 ) 1 スペイン
Goal:アンドレス・イニエスタ(ESP)
アフリカ大陸での初めてのワールドカップ。当初不安視された様な大きなトラブルも無く大成功だったと言っていいんじゃないでしょうか。良い大会でした。ブブゼラも慣れちまえばね(笑)
さぁ、4年後はブラジル。ブラジルも2大会連続で不甲斐ない成績に終わったままではいないでしょう。こちらも楽しみな大会になりそうです。
「ワールドカップが終わった瞬間から次のワールドカップが始まってるんだよ」
日本の強化はJリーグから。Jリーグを盛り上げて行きましょう!!!