120分間戦ってのスコアレス。両チームとも守備的な戦いに終始したと言わざるを得ない。
パラグアイは、元々そう言うチームで南米予選もそうやってブラジルやアルゼンチンを負かして来たのでその戦い方は徹底されていた。そこに上積みされる南米独特の個人技をベースとした戦術。
片や日本はと言えば本来目指してきたパスワークとポゼッションを意識した戦術を捨て守備的な布陣で運動量で勝負し結果を残してきた。
運動量勝負と言う所では、パラグアイは早々に足が止まっていた。本来であればそこをついて勝負を仕掛ければよかったのだが、その場面に来て岡田監督はここまで結果を残してきた戦術を捨て勝負をすると言う意味で決定的に結果を出す事も出来なかった戦術へと切り替える。阿部を下げ中村憲豪を投入した事でその色合いは強くなった。結果、中盤でアンカーとしてスペースを埋めていた場所がぽっかりと空く様になった。それにより攻撃陣と守備陣の距離は間延びし組織は機能しなくなった。ただ前半から運動量勝負を仕掛けていた事でパラグアイの足が止まっていた事で勝負を決められる事がなかったのはラッキーとしか言い様が無い。もしパラグアイのスタミナを奪う事を目的としていたのなら、そこに漬け込めなかったのは戦術的失敗だ。ただ、足が止まっていたと言っても幾度となく致命的なピンチを迎えていたのは確かだし、そこを守れたのは川島のファインセーブに他ならないのだからラッキーとしか言い様がない。
正直、日本がノックアウトステージまで進めた事は奇跡に近い代物だったと思うし、ここまで来たから賞賛されているのだけどそれは結果に対してでしかない。いや、賞賛は結果に対して与えられる物なのでそれは至極真っ当な事なのだが、ただこの結果が日本の本当の実力なのかどうかと問われれば違うだろう。
この大会の中で日本のサッカーの姿を垣間見た気がしたのは事実だ。日本のスタイルをギリギリになって表現できた事は成果ではある。だが守備一辺倒の今のままではこれ以上は望めない。
4年後・・・、どうなっているかねぇ。
パラグアイ 0(5PK3)0 日本