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2007年10月07日

J League Div.1 2007 Leg.28 OITA Trinita in UrawaKomabaStadium

日曜の駒場。久しぶりに来る駒場は埼スタに慣れてきてしまっている僕らには狭く感じた。開門直後からスタンドには人が溢れかえり移動もままならない。でもこの狭苦しさが懐かしさと気持ちを昂らせる。そしえ密集が作り上げる殺伐とした雰囲気。新しい人間の増えてきている埼スタのゴール裏で久しく感じた事の無かった雰囲気がスタンドを覆って行く。

9月15日のアウェー広島戦から始まった7連戦の幕を閉じるのがこの駒場。いつもは始まりを告げる場所だった駒場で一区切りをつける。Jのどのチームもこなしていない連戦を負けなしで突き進み浦和の独壇場にするが為のスタートを切るのはやっぱり駒場だったと行こうじゃないか。

 駒場は今年大宮が主に使用してきていた。大宮のホームである大宮公園サッカー場が改装工事中で使用出来ず駒場を主戦場として使用して来ていた。大宮の試合を見る限り駒場の芝の状態は良くない。この日も試合前にピッチを見るとゴール前は芝がはげ土が露出。その他の場所も芝が浮いた様な感じになっていて踏み込めばめくれ上がる。日本一奇麗だった駒場の芝はどこに行ってしまったのかと驚くばかりである。

そして韓国から帰って来たチーム。今回はソウル近郊の都市での試合だった為に移動の負担は全州へ遠征したよりは軽いと思われるがそこは韓国であり移動初日からホテルでストレッチのみの調整を強いられたりと楽には行かなかった様子。選手には肉体的にも精神的にも疲労が溜まっている様だ。

ウオーミングアップを眺めていると永井が右サイドからクロスを上げているシーンを見かけた。そしてメンバーをよく見ると暢久がサブメンバーの中でボールまわしをしたりネネがスタメンの中に居たりしておりオジェックもメンバーをいじって来た様子。そのスタメンはGKは不動の守護神都築。DFには登録上平川、闘莉王、ネネ、阿部。MFには啓太、長谷部、ポンテ。FWに永井、達也、ワシントンと発表を素直に受け取れば4−3−3のフォーメイション。でも実際の試合では平川は左サイドを前目で受け持ち、永井は右サイドを下がり目を受け持ついつも通りの3-5-2でのスタート。

試合が始まると早々に得点を奪う事に成功する。開始4分にワシントンが永井のクロスを巧く流し込み先制。流れに乗ったゴールでゲームを支配出来るかと思ったのだが、連戦からの影響なのか早々とDFラインが下がり始める。そして大分にペースを握られて行く。大分の攻勢を跳ね返してはいるもののワンチャンスで追いつかれる状況で開始早々から守備へ移行してしまった戦いは辛いながらも中盤でポゼッションを奪って試合を進めてくれるないものかとヒヤヒヤしてしまう。DFラインが下がる事で永井や平川までもがDFラインに吸収、啓太も引き気味でDFの裏をカバー。FWも下がってボールを受けざる負えないがDFがクリアするボールは尽く大分に奪われる。特にサイドを突かれるシーンが多く相手右サイドに居た梅崎は自由にプレーしていた様に感じた。 

なんとか失点をせずに前半を終了し後半に臨むが一向にペースは大分が握る。そして長く粘って来た守備もゴール前で崩され失点してしまう。今の状態では90分を守備で押し切るのは難しいのかもしれない。かと言って90分攻撃し続ける事はさらに難しい。悩みどころは多い。しかし失点した事でチームの意識を変える事に成功。攻撃への厚みが増してくる。ネネがスタメン起用された事でいいのはネネが上がった際に高さで勝負出来るポイントが増える事。いつもであれば闘莉王が上がれば他のDFが上がる事はあまり見られるシーンは無かったがネネはバランスを見て上がる事の出来る選手。そして高さを合わせ持つ為ターゲットが増える事は良い方向に作用する。ネガティブな要素で活性化を果たした攻撃陣は突き放す為の1点をようやく奪いにかかる。ゴール左サイドでワシントンが放ったシュートを決める事が出来なかったが攻撃シフトへと移行した事をはっきりと見て取れる場面。そこから時間をおかずにチャンスはやって来た。前半同様に永井が入れたクロスをゴールを背負った形で胸トラップしたワシントンがあっと言う間の振り向き様にシュートを放つとゴールへと吸い込まれて行った。ワシントンのスーパーゴールで勝ち越しに成功した浦和はこの後も守備へ下がらずに大分を圧倒し試合終了のホイッスルがピッチに鳴り響いた。

守備に翻弄し相手ペースで試合が進む浦和の悪い癖が序盤の早い時間でリード奪った事で長い時間続いてしまったのは疲労のせいもあるだろう。浦和の守備がDFラインが下がって相手の攻撃を受ける所から始まる事に起因するのだが、これが失点率をリーグ随一の低さに保っている要因ともなっている。しかしながら守備をどうしてもゴールに近い位置で行う為に機能していれば強固な壁も多少しのゆがみで穴があく事もしばしば見受けられる。この悪癖と言ってもいいポイントを改善できればもっと楽に試合を進める事も可能だと思う。来シーズン以降の課題かもしれない。それでも失点と言うネガティブな出来事からポジティブな戦略へと選手が切り替えられたのは連戦の中で積み上げて来た彼らの新しい力なのかも知れない。いかにネガティブな要素を減らしポジティブな試合を進めて行けるか、彼らはまだまだ進化の途中なのだと思う。

オジェックがシーズン開幕前に行ったフィジカル強化のトレーニングはここに来て実を結び始めている。肉体的に強くなった選手の次のステップはイメージの強化。オジェックサッカーの本質は次のステップへと移行して来ている。


浦和 2-1 大分
Goal:#21ワシントンx2

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2007年10月07日 23:59に投稿されたエントリーのページです。

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