朝から雨の降る肌寒い9月の終わり。残暑の残る前節と打って変わっての寒さにサポーターも準備不足気味。まだ秋物の準備もしないままに暑くなったり寒くなったり気温の変動も激しいが試合も激しく連日の様に続く。9月になってから1週間をじっくりとすごした記憶がないくらいスタジアムと日常が交互にやってきていた。
ACL準々決勝第2戦の戦いの後のコンディションも落ちかけの中に追い討ちの様に降る雨。怪我人や負傷者も出始め、リーグ理事の理解しがたい発言で休ませたい選手も休ます事が出来ずに臨むリーグ戦となってしまった。
メンバーから伸二と達也が外れた。達也に関してはACL準々決勝第2戦での負傷を考慮してのメンバー落ち。伸二は古傷の左足首の怪我が再発。昨年もこの時期に来て怪我を再発してリーグは離脱していた。昨年の天皇杯を回避して治療へと言う話も上がっていたが天皇杯に出場。伸二の活躍で連覇へと繋がった。その怪我が再発した事で復帰までどれくらいかかるのかが問題な所。ポンテのバックアッパーとして現在は位置しているものの伸二が離脱してしまえばこの位置を埋めるだけの選手が居ないのも現実としてある。リーグ大詰めとACLファイナルの控える11月を乗り切るには10月の中断で伸二が何処まで回復するかにかかっているかもしれない。
さて、この日のスタメンはGK都築、DFは坪井、闘莉王、阿部、MFは啓太、長谷部、平川、暢久、ポンテ、FWは永井、ワシントンでキックオフ。ベンチには達也と伸二が外れた事で小池と細貝が入った。
この試合で重要なのはとにかく負けないこと。前日にガンバ大阪が終了間際の得点で勝利を挙げている状況からも負けて勝ち点を3つ縮められる事だけは避けたい。それよりも最低限でも勝ち点を奪い取っておく事がこの先に活きて来るはず。であれば連戦で疲労感漂うチームながらもやはり負けない事を第一に戦っていく必要がある。その為にもメンバーを入れ替えて戦いたいのだが・・・。
試合は全体を通して五分五分。互いに攻守を入れ替えながら試合が進んでいく。新潟もキープレーヤーを出場停止で欠いている為に決定的な状況を作り出せない。それにこの試合の一番のポイントは雨だったのかもしれない。雨のせいで水を大量に含んだピッチは表面はスリッピーながらも中は重くボールも止まってしまう様な状況。前半では滑って転ぶ選手も大勢居た。ただその様な状況を差し引いてもシュートは決定的なシーンとはならずゴールマウスをそれていく。幾度かのチャンスもゴールの中に吸い込まれる事は無かった。スタンドに居るサポーターが引き分けで御の字と思った後半42分にその瞬間が訪れる。ゴール前でワシントンが潰されこぼれたボールに詰めてきたポンテが直接放ったシュートはゴールマウスへと吸い込まれていく。突然訪れたその瞬間にスタンドは爆発。残りを守りきるために声の限りのチャントを歌い続けた。
ポンテの最後まで諦めないその気持ちがもたらしたゴールに僕等は改めて教えられた。諦めたら終わりだと。後半も40分を回った頃からスタンドには引き分けと言うか失点だけはしないでくれと言う雰囲気が漂っていた。それはスコアレスドローでいいと言う雰囲気。それを打ち破ったポンテの一発。ロビーにフットボールを教えられた試合だった。
そして・・・。スタジアムにはロビーコールが高らかに響き渡っていた。
浦和 1-0 新潟
Goal:#10ポンテ