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2007年05月06日

J LeagueDiv.1 2007 Leg.10 OMIYA Ardija in Saitama Studium 2002

 G.W.最後のJリーグ。雨が降る埼玉スタジアムでさいたまダービーとなる大宮との試合。相手は開幕以降、低迷しており下位に沈む。しかし、ここ数戦上向き模様。浦和は、前節10人の相手に追いつかれ逃げ切られた。不協和音の声も聞こえてくる中なんとしても勝ちたい試合。いや、ダービーであれば何が何でも勝たなければいけない。それがダービー・・・のはずだったのだが。

 

試合内容がどうこうより、まず試合後の選手のコメントがとても印象的だった。

 [ J's GOAL ]【J1:第10節】大宮 vs 浦和:試合終了後の各選手コメントhttp://www.jsgoal.jp/news/00048000/00048155.html
大宮:斉藤雅人選手
この2試合楽しく出来ていると思うので、力を信じてやっていくしかない。
大宮:小林慶行選手
今日はやっていて楽しかった。
大宮:吉原宏太選手
楽しかった。

  コメントとしては、この前後にも色々あるのだが一様に「楽しかった」とコメントしている。大宮の選手達はこの試合を存分に楽しんでいた。浦和相手と言う意味もあるかもしれないが、大宮は順位的には低迷しているが前節などは良くなっている兆しは見えてきていた。それも含め選手全員が楽しんでサッカーをしている。そしてこのダービーでも大宮のいいサッカーが展開されていた。気持ちだけが全てではないが気持ちも大事な要素のひとつ。そんな楽しんでサッカーをしていた大宮に対して浦和の選手達は、

浦和:山田暢久選手
疲労もあるが、もっと動かないとスペースも生まれない。

疲労と言うけど、他のチームも同じ日程をこなしてきているんだよね。浦和だけがこの日程と言う訳じゃないから疲労が残っているのはコンディション調整の不備でしょう。疲労とか日程とかの言葉が出てくる状況と言うのはいささか不安が出てくる。この先はもっともっと苦しい日程となるのだから。

さて、試合です。

もう、これはなんとも・・・。

前半は、とにかく酷かった。いや、だからと言って後半よくなったかと言うと前半よりはマシな程度でしかないわけですけど。この試合に限っては戦術云々以前に最初から組織が崩壊していた。多分サイドを活性化させる事が目的だとは思うのだが、見た目3バック気味。オジェックの指示なのか選手の判断なのか解らないが右サイドの暢久が最初からやや高めの位置にポジションを取る。そして左サイドは阿部が入っていた・・・様に見えたがこちらは長谷部との絡みの中で変化していたと思う。右サイドを高く位置させた事でボランチとDFラインとの関係に微妙のズレが生じはじめる。DFラインで右側を受け持っていたのが堀之内。堀之内が右に張る事で手薄となる中を啓太がフォローに入る。啓太がDFラインのフォローに入る事で中盤とDFラインはどんどん引き下がる事となる。気がつけば前3人と後6人と言うように分断されていた。ちなみに人数的に前後あわせて1人足りないがそれは、最初から最後までまったく動く気すら起こさなかった暢久だ。彼はこの試合何の為にピッチに居たのか最後まで謎の1人である。

完全に引いて引いてカウンター狙いと思っていた大宮だったが前半から積極的な動きが目立つ。ゾーンを保ち素早くボールを奪うと全員で押し上げてくる。動きの質、量とも段違いだった。前節から手応えを掴みつつある大宮の選手達はこの試合も存分にその可能性を示し輝きを発していた。小林慶行の先制ゴールもそんな輝きの一旦であった。

前半、完全に中盤の3人、啓太・阿部・長谷部をDFラインに吸収してなんとか失点を1で抑えたが先行されてしまった以上、後半は前に出て得点を奪わなければいけない。ここからは全体的に押し気味で試合は展開する様になる。リスクを抱えながらもDFラインを高めに設定し闘莉王を前に送り出す。しかしながらゴールを割る事が出来ない。これは相変わらずサイドが活性化して来ない事が原因。 今回は特に中盤の3人がDFラインに吸収された事で余計に顕著になって現れていた。啓太が前に出たり、阿部が飛び出すと言うシーンは皆無だった。これはとても残念。ただこれは中盤だけの問題とかDFラインの問題と言う訳ではないだろう。左サイドに関して言えばそのエリアを本職にしている選手が居ないと言う現状ではチーム全体でカバーし補っていかなければ行け無い部分だが右サイドになるとこれは違ってくる。右サイドを本職にしている選手がピッチ上に居るのだ。昨年までは中央のポジションをやる事が多かったが元々は右サイドをやっていた選手。その選手がいつも以上に走らない、動かない。ボールを追わない、簡単に抜かれる。これでは何をしようとも変化は起きない。いつまでこの状態が続くのか解らないが右サイドは左よりも問題は根深そうだ。

ワシントンのゴールでなんとか同点に追いついた物のその後得点を奪うことが出来ずに2戦連続の不本意なドローとなった。もう、他チーム頼みの順位変動になりつつあるが上位陣が都合よく停滞し2位をキープしている。なんだか不思議な気分だ。

このチームには、昨年の成功が呪縛の様に纏わり着いている。昨年やっていたサッカーで上手く行っていたのだから変える必要は無い。そんな風に見て取れる。鹿島戦の戦い方などそのいい例かもしれない。今必要なのは大鉈を振るう変化かもしれない。今のシステムを成熟させるにはこのシステムの経験者が浦和には居ない。で、あれば補強も致し方ない。補強を前提に考えると欧州などのシーズンオフを待つ羽目になるので時間がかかる。しかし変化は必要だ。この試合、細貝が途中出場を果たした。細貝は練習の段階で調子が良かったから使ったとのオジェックの判断。次は細貝をスタメンで出すのも面白い。

保守的な選手と変革を求める監督。
そこに溝はあるのか・・・その溝を埋める役割を果たせる人が現れるのか。ゲルト・エンゲルス、その人にこっそり期待している。


GAME SCORE
大宮:1 [38分#32小林慶行]
浦和:1 [73分#21ワシントン]

 STARTING ELEVEN
 GK 23 都築龍太  
 DF 2 坪井慶介
 
 DF 田中マルクス闘莉王   
 DF 20  堀之内聖   
 MF 13 鈴木啓太
 
 MF 17  長谷部誠
OUT→55分
 MF 22
阿部勇樹  OUT→81分
 MF 山田暢久   
 MF 10
ポンテ
 
 FW 永井雄一郎    
 FW 21  ワシントン   
 SUB
 GK 山岸範宏   
 DF 3
細貝萌
←IN81分
 DF ネネ   
 MF 19
内舘秀樹   
 MF 14
平川忠亮   
 MF 8
小野伸二
 ←IN55分
 FW 30 岡野雅行   

 


J League Division1 2007 SeasonRanking Leg.09

位 

  Team  

  勝点  

  試合数  

  勝  

  分  

  負  

  得点  

  失点  

  得失差  

  2  

  浦和レッズ  

19

10

5

4

 1  

16

10

+6

 

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2007年05月06日 23:00に投稿されたエントリーのページです。

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